新しい相棒を迎えました。
最近また、
どんなシザーを使ってるんですか??と、質問されるので。。。
新調したシザーズの事など、、、最新情報に更新します(笑)
今回の記事は、
美容師さんで、ハサミにこだわりがある人じゃないと、つまんないと思います。。。
さて、
コレまで23年間、ずっとロングシザーズを使って来ました。
元々7inchのビッグシザーから始まった、僕のキャリア。
早い仕事とは?
を追求し続け、デザインとそれを作り上げるまでの時間。
こだわりと止め時の、せめぎ合い。
このバランスを取る上で、きっとコレが究極だろう。
という形で去年(2013年)完成させたのが、このシザーズ。
6.3inchの長さ。
ラインをスピーディに切るのと、細かな部分を切る時の小回り。
ブラントだけじゃなく、チョップも心地良いリズムで出来る。
顔周りをカットする時に、顔に当たるので、僕は、小指かけを使わない。
だからよりフィット感を上げる為、
指穴の大きさも、指が当たる部分の削りも全て自分仕様。
それから、ハンドルと刃の重量配分。
切れ味と、実際に手で感じる重量感。
重いと疲れる。
軽いと切れない。
という、従来の概念を越える為に考えられた、前後のバランス。
僕は、元々パネルをかなり厚切りするので、力がないと使えない。
髪の毛を逃がさず一発で切る為のパワーと、持った時に重さを感じさせないという、相反する事をバランスする。
刃に重さがあって、パワーがあるのに、手に伝わる感覚はかなり軽い。
これを実現する為に、
通常の物とは、支点のネジの位置がかなり違います。。。
実際に、switchのスタッフ用に制作した、サロンオリジナルのシザーズは、このバランスを元に造っています。
と、
まぁ、これで終わりかと思ってました。
このシザーズが出来上がってから、特に何も困ってなかったし。
でもね。。。
道具が変わることによって、違う世界が見える、
って事もあるんじゃないのかな?と思うようになって。
それで製作したのが、この5.6inchのシザーズ。
今まで、一度も手にした事がなかった、ミニシザーズ。
(サスーン系の方は、もっと短いと思いますが…)
ずっと、短いシザーでは、時間が掛かるし早く切れない…
という感覚があって、
使いたいと思った事もなかったし、必要ないと思ってた。
造ってみようと思ったきっかけは、
昨年末に他界した、DADA Cubicの故・植村隆博氏の影響。。。
仕事上でもプライベートでも親交が深かった、彼へのオマージュですね。
以前、ハサミ談義をした事があって、あぁだこうだとお互いの拘りをぶつけ合ったものですが…。
自分なりのこだわりで、彼の言っていた究極のツールを造ると、どうなるんだろう?
それで創るデザインって、何か変わるかも知れない…。
と、単純に想いまして。。。
コレが持ってみると【目から鱗】というか、
もしかしたら、こいつだけでも良いかも?!と思うくらいの出来栄えで上がってきた。
剣歯仕様。
ハンドルは、シンプルなメガネ型。
指かけが嫌なので、親指と薬指が当たるところを削って、
ギリギリまでフィット感を高めた。
ハンドルの長さは、通常よりも少し長い。
これは、持った時の重量感を最大限に小さくし、
尚且つ、パワーを一番先端から、刃元までしっかりと伝える為。
刃の形状も剣歯でかなりパワーがあるので、
ワンレングスも1パネル一発で切れます。
また、剣歯でも刃先の幅をかなり精緻に計算したので、
インナーセニングも問題ナシ。
ロングシザーズのパワーと、ミニシザーズの取り回しが、絶妙なバランスで融合しています。
僕の感覚だと、
これ以上短くなると、ラインを一発で捉えるのが難しい。。。
ラインでカットする
点を繋いでラインを造る
両方出来る、究極のバランス。
何かね。
こうやって自分の感覚を、形にしていくのって、凄く楽しい。
実際にハサミが出来上がってきて、カットするまでは、イメージでしかない。
今までの自分の経験と、感覚を総動員して、一丁のシザーズに込める。
これまで、僕はラインの構成と組み合わせでカットし、デザインしてきた。
今また、これでテンション高く新鮮な気持ちでカットをしています。
もう一度初心に返って、リフティングやパネリングを正確に緻密に取ってみたり。
点を繋ぐ視点に変えて、デザインを改めて見直している。
ツールの大切さ。
ある意味で拘りを壊して見える事もあるね。
まだまだ勉強です。
独り言のような記事にお付き合い頂き、有り難う御座いました。。。
P.S.
いつも僕のメチャ細かくて、しかも感覚でしか伝えられない拘りを、しっかりと形にしてくれるDragonCrawの金子さん。
有り難う御座います!